4回目となるフィールドスタディを開催しました!
2021年12月8日、4回目のフィールドスタディを開催しました。今回ご参加いただいたのは、福岡県立春日高校1年の6名の皆さんです。今回も前回と同様、フィールドスタディの最後に弊社から課題を掲示し、各グループで話し合った後、プレゼンをしてもらいました。
現状として高校卒業をして進学をする人たちは、将来の就職活動の時まで、地元企業を知る機会があまりありません。そこで、高校の時から地元企業と接点を作り、将来の就職活動の時に、地元企業も選択肢の1つにしてもらおう!という将来的な地域の経済発展に繋げる目的もあるようです。
フィールドスタディ当日の流れ
当日は、事前に作成しておいた下記の流れで進行します。
アイスブレイク | 14:00~14:10 | 双方自己紹介 |
企業紹介 | 14:10~14:50 | |
会社見学・キャリアトーク | 15:00~15:40 | 社内の見学や、社員への質疑応答など |
アプリ考案・プレゼン | 15:50~16:50 | テーマを発表、考案、プレゼンテーション |
まとめ | 16:50~17:00 | 今日の全体的な感想、高校生に伝えたいこと等 |
フィールドスタディ当日のレポート
高校生の皆さんが少し早めに到着されたので、フィールドスタディも予定より少し早めに開始しました。
1人ひとりに、自己紹介として自分の名前と所属している部活動を教えてもらった後、弊社の会社説明を行いました。今回は、もともとこの業界に興味がある生徒さんが多く、事前リサーチをしっかりしているようで、SEやPGの仕事内容を説明する際の聞き慣れない単語を聞いても、しっかり理解していました。会社説明の最後に、質疑応答の時間を設けると、
「プログラミングに興味があり自分で言語を調べているが、どのように勉強したらいいのか」
「エム企画でのSEとPGの比率は?」
「複数のお客様から受注が一気にきたときの優先順位は?」
「アプリを作るとき、MacとWindowsで違う言語を使うのにHTMLが共通なのはなぜか、支障はないのか」
など、一歩踏み込んだ質問が多かったように思います。
企業紹介が終わり、少し休憩時間を設けてから、社内見学をしました。サーバールームやエムテルのデモ、アプリ実装のデモなど一通り見てもらいました。普段は見れないものを見ることができて、とても楽しそうに説明を聞いていました。
社内見学後は、キャリアトークが行われました。 今回は、今年の4月に入社した社員1名に参加してもらい、この業界を目指そうと思ったきっかけや、入社するまでの過程などを話してもらいました。キャリアトークでも、質疑応答の時間を設けたところ、
「文系と理系どちらか選ぶ時、この業界に入ることを視野に入れて選んだのか」
「プログラミングの言語はどのような方法で勉強をしたのか」
「高校卒業後の進路どのように決定したのか」
など、進路に関する具体的な質問が多く見受けられました。高校1年生で将来を見据えている質問内容が多く、とても驚きました。
少し休憩を挟み、最後にアプリの考案をしてもらいました。 今回も、2人1チームに分かれてもらいました。「女子チーム」「山岳部チーム」「男子チーム」の合計3チームに分かれたあと、テーマ発表です。
学校生活の中で、あったら便利なアプリを考案せよ
前回とは少し異なる視点でのテーマです。約40分ほど話し合った後、順番を決めてプレゼンをしてもらいました。
1番目 女子チーム 「room status」
このアプリは、各教室の授業以外での使用状況が分かるアプリです。
このアプリを考案した背景として、部活動における日々の大変な部屋割りがあります。どこの教室が空いているのか分からない為、毎回見に行って確認していることでタイムロスが発生しています。このアプリがあれば、スマホから現在の教室の使用状況を把握でき、限られた部活動の時間を今よりも有効活用できるでしょう。また、チャット機能があるので、現在使用中の教室を使いたい場合は、使用者に直談判することができます。更に、校内のマップ表示もできるので、視認性にも富んでいます。画面のデザインもよく作りこまれており、日ごと月ごとに教室の使用状況や予約状況が確認でき、現在の教室のステータス(交渉中や誰が使っているか)も表示されます。このアプリの欠点としては、誰でも使用できるのでイタズラで教室を抑えられたりしたときの対処が難しいとのことでした。
このアプリのプレゼンを聞いたとき、部活動での部屋割りに本当に日々苦労しているんだなと思いました。私も学生時代に、吹奏楽部の人たちが部屋割りに苦労している光景を見たことがあります。苦労しているからこそ、ここまで完成度の高いアプリを考案できたと思います。弊社担当もプレゼンの際に話していましたが、会社やテナントビルで部屋の使用状況が分かるシステムが実際にあります。既にあるシステムと類似するものを学生向けに考えつく発想力は素晴らしいと思います。
2番目 山岳部チーム 「ラク食(ラクラク学食生活)」
このアプリは、学校内にある食堂(学食)を利用する時に事前予約ができるアプリです。
現在、学食を利用する際は、休み時間に食堂に出向いて予約をする必要があります。つまり、食堂には予約時と利用時の2回行く必要があり、手間も時間もかかるのです。また、支払いは現金のみの為混雑が発生し、ここでも時間がかかります。そこで、考案したのが「ラク食」です。このアプリでは、スマホから学食の予約ができ、支払いの際は学校専用の電子マネーを使います。チャージ式のラク食専用カードがあるので、学食に設置される"専用の機械"でチャージをし、支払う流れとなっています。アプリ内では、今日のメニューや、そのメニューのカロリーなどの表示があります。他にも、今まで学食で買ったものの履歴表示、カードとアプリを連携させて残高の表示、学食に対する意見を送れるフォームも用意されています。学食を作る方々も見れるので、どのメニューが何個予約が入っているかなどの確認もできます。
とても現実的で、すぐにでも実現できそうなアプリだと感じました。私も高校生の頃、少し距離があるところに食堂があり、中休みに急いで学食に行き、予約をしていた記憶があります。次の授業が体育だったり移動教室だったりすると、かなり大変だったのを覚えています。この大変な作業をアプリ1つで解決できるのは魅力的だと思います。他にも学食に関して同じような流れである高校は一定数あると思うので、このアプリが実現されれば、需要は大いにあるのではないでしょうか。
3番目 男子チーム 「100ch」
このアプリは、匿名掲示板アプリです。
学校や規則に対して、不満や改善点があればスレッドを立てて匿名で書き込みができます。学校の規則を統一化したい、他の生徒と意見を共有したいという思いでこのアプリを考案しています。「あの先生はOKしてくれたけど、違う先生からはNGが出た」「昨年は問題ないとされていたことが、今年は禁止になった」など一貫性がない規則が複数あるので、掲示板で生徒たちの意見を募り、反映させます。それを学校側が把握できて、もし改善されれば生徒たちにとって学校生活が豊かになる、ということです。弱みとしては、匿名が故の誹謗中傷や過激な表現での書き込みが投稿される可能性があることがあげられます。SNS等で不特定多数が誹謗中傷を行い事件に繋がったケースもある今、アプリを実現するにあたってこの弱みをなくすことはとても重要です。その解決策として、信頼できる管理人を立て、適宜掲示板内を巡回してもらうことをあげています。
1人が声を上げても届かない意見も、何十人何百人と大勢になれば、きっと変化が起きると思います。このアプリの弱みも、管理人にNGワードの設定やルール違反の利用者をアクセス禁止など、権限を与えることである程度制御できると思います。このアプリが正しく利用されれば、生徒の声が学校側に届きやすくなり、先生同士の意見の擦り合わせや規則改変へのきっかけとなるかもしれません。
おわりに
3チームともプレゼンが終わり、最後に一言ずつ今日の感想を教えてもらいました。今回感想として多かったのが、自分たちでアプリを考えることがとても楽しかったということ、もともと興味があったがフィールドスタディを通して更に興味を持ったということの2つです。
感想を話している生徒の皆さんの顔がとても楽しそうでイキイキとしていたのが印象的でした。
本日の体験が今後の進路決定の材料となり、皆さんのより良い将来の選択のきっかけとなれば幸いです。
春日高校の皆さん、この度は、お越しいただきありがとうございました。
レポート:A